インコには水浴びが大好きな個体も多く、ケージ内に水浴び容器(バードバス)がないと飲み水で水浴びをすることもあります。
水浴びの方法もいろいろありますが、飼育しているインコが好む方法もことなり、できるだけ個体に合ったやり方をしてあげたいものです。
この記事では次のことを主に解説しています。
- 水浴びの効果・役割
- 水浴びのやり方
- 水浴び容器の種類
- 適切な回数・頻度
水浴びの効果
インコが水浴びをすることで次の効果を得られます。
体・羽をきれいにする効果
インコは水浴びをすることで体・羽をきれいにする効果があります。
私たちでいう入浴と同じようなものです。
羽についた脂粉や寄生虫、汚れなどを落とし、羽を清潔に保っています。
水浴びは水に入らなくても、雨に濡れたり水滴をつけることでも効果を得られます。
インコのストレス発散に
私たちが入浴でストレスの解消になるように、インコも水浴びすることでストレスを発散しているそうです。
とくに飼育されているインコは飛び回ったり自由に行動できないため、ストレスが溜まりやすい傾向にあります。
ストレスは毛引きや自咬症などの原因となるため、水浴びが好きなインコには水浴びの機会を作ってあげましょう。
体温を下げる効果も
羽に水が触れることで温度も直接下がりますが、湿りが蒸発することで熱が下がります(気化熱)。
水浴びの頻度・回数は個体にあわせる
水浴びの頻度・回数についてはいろんな意見があります。
どのように考えられているのかチェックしてみましょう。
水浴びの基本は週1回を目安に
水浴びの基本は週に1回でも充分といわれていますが、インコが自分のタイミングで水浴びをする分には回数を減らす必要はありません。
好きなタイミングで水浴びができるように、バードバスの水はきれいな状態を保ってあげましょう。
水浴びを好むなら毎日でも
週一回の頻度でも良いのですが、インコのストレス発散も兼ね、インコがしたがるなら毎日水浴びをさせても構いません。
ただし、必要な脂粉も少しずつ洗い流されるので、羽の状態を見ながら行いましょう。
インコの様子で水浴び頻度を決める
水浴びの時以外にも飲み水で水浴びをするようなら水浴びの回数が足りていないのでしょう。
飲み水で水浴びするなら、ぜひ水浴びの頻度を増やしてみましょう。
水浴びの注意点・ポイント
インコにとって大切な水浴びですが、いくつか注意しておきたいポイントがあります。
お湯はだめ!常温の水を使う
お湯だと汚れも落ちますが、羽を覆う脂粉も落としてしまいます。
脂粉はインコの羽や健康を守るために必要なものです。
水浴びは必ず水を使って、ぬるま湯〜お湯は使わないようにしましょう。
シャンプーなどは使用しない
猫や犬などはシャンプーがありますが、インコの水浴びではシャンプーなどは絶対に使用しません。
お湯以上に洗浄力が強いので厳禁です。
乾かすのは自然乾燥を
冬の水浴びは体調を崩しそうと心配になるかもしれませんが、インコも体温を極端に下げるような水浴びはしません。
ドライヤーで温めながら乾燥させたくなるような気持ちが出てくるかもしれませんが、体温が上がりすぎたり急な温度変化で体調を壊す原因にもなります。
気になるくらい濡れてしまった場合はドライヤーよりもハンドタオルやキッチンペーペーなどで水分を吸収して乾燥しやすいようにする方がベストです。
無理に水浴びさせない
インコにも水浴びを好まない個体もいますが、無理に水浴びをさせる必要はありません。
ただし放鳥時に水浴びをしないのであればインコが自分のタイミングで水浴びできるように、ケージにはバードバスを準備しておきましょう。
ヒナの水浴びは2ヶ月以降から
ヒナは体温調整能力が不完全で水浴びによる体温低下のリスクが高くなります。
体温低下は免疫力の低下に直結するので、雛換羽が終わった頃からの水浴びにしていきましょう。
実際の水浴びのやり方
実際に飼育者はどんなタイミング・方法で水浴びをさせているのか紹介します。
ケージ内バードバスを利用する
ケージ内に直接設置したり、出入り口に設置するタイプもありますが、バードバスというインコの水浴び容器や皿などに水を浅く入れておきます。
ケージ内なのでインコのタイミングで水浴びができるメリットがあります。
一方でフタがないものでは、フンやゴミが混じってしまうデメリットがあります。
放鳥中のバードバス
放鳥時にだけバードバスをケージ外に準備し、そのタイミングの間で水浴びをさせる方法です。
必要時だけ準備するのでそのタイミングだけでしか水浴びできないデメリットがあります。
しかしフンなどで水浴び前に水が汚れる心配がないので清潔な水浴びができるメリットがあります。
青菜・野菜の水滴で水浴びも
青菜など野菜に霧吹きなどで水滴を作ると、その水滴を利用して水浴びをするインコもいます。
蛇口から直接水浴びするインコも
放鳥時に水道から水を出すとインコ自ら水槽水で直接水浴びをすることもあります。
放鳥時だけしか水浴びできないことや、インコの好きなタイミングで水浴びできないデメリットがあります。
しかし水浴び容器も不要で簡単に水浴びできるメリットがあります。
霧吹き・スプレーの水浴び
100円ショップなどでも入手できる霧吹き・スプレーからの水を、直接インコにふきかける方法です。
ケージ内でもできますが、エサなどを湿らせないようにしたり注意が必要です。
また、やりすぎると水びたしのようになって不衛生になるので、放鳥時に行うのがおすすめです。
水浴び容器の種類
水浴びをする容器(バードバス)には、普通の食器でも構いませんが、インコ用の水浴び容器があります。
最後にバードバスの種類にはどんなものがあるのか紹介します。
外掛け式バードバス
ケージの網に取り付けることができるので、ある程度好きな位置に配置できます。
高めの位置につけておけばフンやゴミが入りにくいメリットがあります。
一方で水浴びで飛び散る水が広がりやすくなるデメリットがあります。
置き型バードバス
ケージの底面に設置するタイプの置き型バードバスです。
一番下に設置するのでフンやゴミが入りやすいデメリットがありますが、飛び散る水が広がりにくいメリットがあります。
また、取り外しや水換えが簡単なのもメリットの1つです。
水浴びをしないインコは砂浴びを
水浴びをしない・嫌うインコにはそれなりの理由があります。
嫌う理由のひとつは インコの生息地 です。
もともと乾燥地帯に生息していた種類のインコは水浴びをする習慣がありません。
もちろん私たちが飼育するインコはブリーダーによって繁殖されたものばかりなので、乾燥地帯で生まれ育ったわけではありません。
(野生インコの捕獲・飼育は禁止されています。)
しかしやはり本来備わっている本能というものは受け継がれるのか、乾燥地帯に自生している種類のインコは水浴びをせず砂浴びを好む傾向にあるようです。
水浴びをしてくれないと思ったら、自分の飼育しているインコが、本来どんな場所で自生しているのかを調べてみましょう。
場合によっては砂浴びをする種類なのかもしれません。
コラム:インコの水浴びしたい時のアピール
インコの中には 水浴びをあまりしない個体がいますが、うちの以前のセキセイインコもそう でした。
まったくしないわけではありませんが、バードバスを準備していても使うことはありませんでした。(結局撤去)
ただ、放鳥時に水浴びをしたいときのアピールらしき行動がありました。
- 濡れた手に体をすり寄せる
- 私の使うコップを追うような行動
- 羽におやつの野菜のわずかな水滴をつける
はじめは「遊んでほしいのかな?」って解釈していたんですが、次第に「水浴びをしたいのかな?」と思うようになり、シンクに水を流したりバードバスを準備するとなかなかの勢いで水浴びをしていました(^^♪
シャワーに飛び込んでバシャバシャしてひっくり返って羽をひろげたり(*^^*)
普段水浴びをしないインコでも、水浴びをしたいタイミングや好みの方法があったりするんだと思います。
慣れないうちはインコの行動が意味することも解りませんし、飼育本通りの行動をするとも限りません。
インコちゃんとは長い付き合いになるので、よく観察してインコの気持ちを考えてみましょう(^_-)-☆