フォージングって聞いたことがあるでしょうか。
フォージングはインコの生活に良い意味で刺激を与えるようなことで、フォージングにはインコに役立つ効果があります。
この記事を読んでもらえれば次のようなことがわかります。
- フォージングの意味と効果
- フォージングの基本とやり方
- おすすめのフォージングトイの作り方
- フォージングの注意点
是非最後まで読んでもらえたらと思います。
フォージングの意味は摂食行動
フォージングとは動物が餌を探し出して食べることを意味しており、インコに限らず野生の動物は1日のほとんどをフォージングと食事、そして休息で過ごしています。
天敵に襲われないよう周囲の警戒をしながら餌を探し出し、奪われないように食べるのが自然の摂理。つまり本来なら食事とはかなりの時間をかけて行うものなのです。
しかし飼育されているインコはフォージングしなくても餌がもらえるため、餌を探す必要がない代わりに刺激というものが絶対的に不足しています。
そこで飼育しているインコにもしっかり頭を使って餌を探して食べてもらおうというのが今回のフォージングです。
普段の給餌に刺激を与えることで、時間をかけながら退屈な時間を減らすことができます。
フォージングの効果
前述した部分もありますが、フォージングをすることで次のような効果があるとされています。
- インコのストレス解消
- 食事に時間がかかるため食べすぎの予防
- 発情過多・問題行動の予防
- 飼い主とインコの信頼関係構築
インコは時間を持て余して退屈すると発情・毛引き・呼び鳴きなどの問題行動を起こしやすくなるといわれています。
フォージングを取り入れることでインコの知的な好奇心が刺激されて生活にも楽しみが出てくるし、退屈な時間が減ることで問題行動も抑制できます。
とくに発情過多は健康を害することもあるため、健康を守るためにもフォージングが効果を発揮します。 インコの飼育で問題になりやすいのが 発情過多 (過発情)です。 この記事では主に次のことを簡潔に解りやすく解説しています。 なぜ発情過多が問題になるのか 発情 ...
インコの発情過多が問題になる理由。過発情の原因と対策・予防方法。発情時の行動・サインがわかれば早めの対策も。
フォージングの基本
フォージングの基本は「餌を食べるのに知恵を捻出させること」です。
フォージングでもっとも基本的で最も大切になるのは次の2つだけです。
- 餌を探させる
- どうすれば食べれるのか
これを考えて行動させることがインコにとって刺激となります。
まずは1日に与えるべき餌とは別にフォージングすることで食べれる餌を準備するところから始め、慣れてくればフォージングだけで餌を与えても構いません。
フォージングの基本となるやり方をいくつか紹介します。
step
1
餌入れ容器を増やす
まずは餌入れ容器をひとつ増やしてみましょう。
第一段階では「別のところにも餌がある」という認識を持たせるだけです。
「意味があるのか?」と思われるかもしれませんが、フォージング用の餌入れを毎回異なる場所に設置することでフォージングに慣れさせます。
もちろん普段の餌入れはそのまま設置しておきます。
step
2
小さめの障害物を入れる
プラスチックなど小さめの障害物を餌の上に少しだけ置きます。
最初はできるだけ餌が見えるようなもので、少し動かせば餌が食べれるようなものがベストです。
インコが利口といっても限界があります。はじめは簡単なもの・解りやすいものから始めてあげましょう。
また、はじめはエサを入れるところや障害物を置くところを見せることで、インコにも餌がある場所のヒントになるようにしても良いでしょう。
step
3
大きめの障害物を入れる
インコがフォージングに慣れてきたら次は大きめの障害物を入れてみましょう。

ペットボトルのキャップや大きなボタンやプラスチックのおもちゃなど、しっかりずらしたりしないと餌が食べれないようなものでも構いません。
この3つのステップのようにインコが理解しやすいように少しずつフォージングを行なってあげましょう。
フォージングの注意点とポイント
フォージングをやるからにはインコの安全にも配慮して行う必要があります。
フォージングをするときの注意点や意識しておきたいポイントなどもあります。
インコが飲み込めない大きさのものを使う
フォージングは摂食行動なので当然エサを口にして飲み込みます。
利用する道具などはインコが飲み込めないような大きめのものを使いましょう。
アレルギーの原因にならないものを利用する
金属製のものを口にするとアレルギーがでることもあります。
とくに鉛・亜鉛・銅はアレルギー物質として出やすいようなので特に注意しましょう。
慣れてきたら別のフォージングに変える
インコがしかけを覚えて障害物でもなんでもなくなってしまったら、別のものに変えないと効果がありません。
フォージングがインコの刺激・退屈しのぎになってるかを考えてみましょう。
フォージングをしてはいけないときも
フォージングはストレス解消や運動になるし、もちろん食事も兼ねます。
しかしフォージングをしてはいけないときもあります。
- ケガ・病気をしているとき
- 体重が少ない・平均以下
- 食欲が低下している
- 引っ越しなど飼育環境変化
上記のような状況ではフォージングが負担にしかなりません。
できるだけ餌を食べやすい環境を作るべき状況なのでフォージングは中断しましょう。
手軽にできるおすすめのフォージング
フォージングに使える市販の専用グッズ・おもちゃは購入すれば簡単に使えるのでおすすめですが、いろいろ買っているとかさばるしお金もかかりますね(;^_^A
いつもおもちゃを買うのも勿体ないので、家にもあるようなものを使ったフォージングもやってみましょう。
皆さんのフォージングの参考になるように、いくつかおすすめの例を挙げてみます。
餌を隠して探させる
レベルは低めですが餌を食べるのに多少の知恵が必要です。
ペットボトルキャップを使う
餌入れの中にペットボトルのキャップを障害物として入れます。
キャップの下に餌を隠しても良いですし、中に入れても良いですね。
画像のように複数入れると障害物としてのハードルも上がります。
小さなボールを入れてみる
ボールは転がりやすいので餌を見つけやすいですが、そのくらいでもちょうど良いですね。
画像のような隙間のあるボールなら、小さな餌粒を入れると出そうとして遊ぶかもしれません。
マットに餌をばらまく
天然繊維を編んだようなマットには不規則な溝が沢山あります。
マットに餌をばらまくと隙間に餌が入り込むので、探しながらついばんでくれます。
難しくはないですが、時間をかけて食べさせることができます。
紙コップを餌入れに
紙コップに餌を入れるのインコに見せておきます。
コップは立てていても倒していても良いでしょう。
大きなインコなら紙コップに頭を突っ込んで食べるでしょうし、小さなインコならコップを倒して中に入って揺れながら食べたりします。
中に入るのを怖がるインコもいるので、中型〜大型インコ向きかもしれません。
ピーマンに餌を仕込む
ピーマンが餌になることもありますが、ピーマンのヘタを押し込んだりくり抜いて、インコに見えるように餌をピーマンに入れ込みます。
インコに渡すとを破るようにして食べ始めたり、いろんな食べ方をする個性が見れて面白いですよ(*≧m≦)
小分けケースに小分けする
アクセサリーやビーズを収納するようなケースに餌を小分けして与えます。
餌がある箇所とない箇所をまばらに作ることで、探すようなそぶりを見せながら餌を食べます。
ボールだけ入れたハズレ枠を作ったり、餌の上にボールやボタンなど障害物を置くと、よりフォージングのレベルが上がります。
揺らすことで餌が出てくる
タレや醤油を入れるタレ容器などに複数の穴を開けます。
餌をタレ容器に入れ、エサ容器の上にヒモで結ぶなどして取り付けます。
インコがタレ容器を揺らすことで下にあるエサ容器に少しずつ落ち、インコは揺らせば餌が落ちてくることを覚えます。
開けると餌が出てくる
今度は紙などに餌を包んでいるところをインコに見せて、それを与えます。
餌が入っているのがわかれば、インコはそれを一生懸命に開けて食べ始めます。
割り箸袋に隠す
割り箸の空袋にエサを入れるところを見せます。
袋は折りたたんでもそのままでも構いませんが、難しそうなら破り目を入れたり、折らないようにしてあげましょう。
他にはストローの袋に入れたり、メモ紙などでキャンディのように包んだりしてもOKです。
お薬・ピルケースを使う
100円ショップなどで売っている、お薬を入れるためのピルケースに餌を入れてフタを閉めます。
フタが開けにくいようなら、完全に閉めずに軽く閉じておく程度にしましょう。
小さな引き出しタイプの容器も使えます。
転がして餌を出す
インコが転がせるようなサイズ・重さのものを準備し、餌が簡単にこぼれ出るくらいの穴を3~4か所程度開けておきます。
タレびんやガチャガチャ容器なら中の餌が見えるのでおすすめです。
回すことで餌を取り出す
回すことで餌が出てくるフォージングトイもあります。
釣り具入れやビーズ入れを加工して作ることもできますが、加工が大変なので失敗する自信がある人はフォージングトイを使ってみるといいと思います。
自作も良いですが、どうしても市販品のように見た目もきれいに作るのは難しいですからね(;´・ω・)
コラム:留守番時にもフォージングが役立ちます
フォージングはインコがお腹が空いたときに自分のペースで行ないますが、あまり相手が出来ない時や留守番などで家を空けるときにもフォージングが役立ちます。
私が相手をできないときはインコも退屈してしまうので、ゆっくりと食事に時間が使えるようにちょっと難しめのフォージングを準備しています。
とくに難しくなくても、新しいフォージングを準備すればそれだけでインコたちにとっては良い刺激となります。
フォージングの内容もネタ切れになる事もありますが、仕方ありません(笑)
そんなときはしばらくやっていないフォージングをあらためてやってみるなどしています。
エサが少しずつしか出ないように工夫するとわりと長い間遊んでいたりもしますよ(^^♪