人間からすればインコやオウムはいつまでも小型なので、外見やしぐさだけでは年齢や発達段階がわかりにくいものです。
それでもインコもオウムも私たちと同じように乳幼児期のようなものがあり、思春期・反抗期を経て成熟し、老いていきます。
赤ちゃんにひらがなを教えても覚えることはできませんし、高齢の方に積極的に外遊びを持ち掛けても受け入れてくれるわけもありません。
やはりペットだって、年齢や心の発達に応じたお世話・しつけをしなければ受け入れてはくれないでしょうし、身に付くことはないはずですね。
この記事ではインコの成長は発達段階で私たちの関わり方など注意すべき点を解説しています。
インコ・オウムの成長で私たちが気を付けるべきこと
インコやオウムも体の成長に伴い、精神的にも発達していきます。
反抗期もあるため、これまで受け入れてくれていた関りも一時的に受け付けてくれなくなることもあります。
いまの成長発達段階を理解する
野生のインコやオウムは幼いころから親や仲間の行動を観察し、食物の探し方や繁殖行動の方法などを学習して成長するのが常です。
しかし飼育された場合はそのようなことを学ぶ機会がないばかりか、人間の生活を見て成長するので複雑な成長過程をたどります。
生れた時期が解らない場合は難しいですが、ほとんどは孵化・生まれた時期はある程度特定されています。
とくにペットショップで購入する場合はいつ生まれたのかは教えてもらえるはずなので、生まれてどのくらいの時期なのかを理解してあげましょう。
これまで大人しかったインコが急に噛むようになったりすることもありますが、もしかしたら反抗期に当たる時期かもしれません。
これまでの違った反応を見せる場合は、別の記事で紹介している成長・発達段階の内容を参考にしてどうか関わるべきかを考えてみましょう。 インコやオウムにも私たち人間と同じように成長の段階があります。 生れたばかりの時期を初生ヒナとよび、幼鳥・成鳥などの段階を経て高齢鳥が最後の成長段階となります ...
インコの成長・発達。初生ヒナ~高齢鳥、各時期の目安と発達の特徴
成長段階ごとにオモチャ・グッズをかえる
生後半年頃のインコやオウムは好奇心旺盛で知能の発達が盛んな時期で、この時期はいろんな種類のオモチャやグッズをケージに入れてみましょう。
いろいろな遊び方を覚えて今後のしつけや賢さにも良い影響が出てくることだと思います。
成長して成鳥となってからはオモチャはほとんど不要で、1~2個を交互に入れ替えてあげると飽きずに遊んでくれやすくなります。
なかにはおもちゃに発情して恋人のようにしてしまうケースもありますし、おもちゃがなくて退屈すぎても発情過多の原因となってしまいます。
餌を与えるのにおもちゃなどを利用した フォージング というものもあります。
成長に合わせてフォージング・おもちゃを変えるなどの工夫も必要になることもあります。
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生後8週間までは親鳥から離さず社会性を育む
インコ・オウムは孵化してからの8週間が 幼鳥期 となりますが、
幼鳥期は「社会性」が身に付く大切な時期とされています。
私たちでいう 「三つ子の魂百まで」 といった時期に当たると思われます。
この時期では親鳥とヒナの関りで親鳥がお手本となり一緒に生活をしていく大切な時期です。
そのため、生後8週間は親鳥と離さずに育てる方が良いとされています。
反抗期の関り方の注意点
インコやオウムの反抗期も私たちと同じように2回あります。
反抗期には問題行動をとりやすくなって手こずってしまうこともありますが、成長段階のひとつとして受け入れるおおらかな気持ちで一緒に過ごしましょう。
反抗期だけではなく初生ヒナ~高齢鳥までの成長・発達のことも下記記事で紹介しています。 インコやオウムにも私たち人間と同じように成長の段階があります。 生れたばかりの時期を初生ヒナとよび、幼鳥・成鳥などの段階を経て高齢鳥が最後の成長段階となります ...
インコの成長・発達。初生ヒナ~高齢鳥、各時期の目安と発達の特徴
生後1ヶ月以降~6カ月頃の第1反抗期
生れて1ヶ月以降から6カ月頃までは大1反抗期の時期で、人間でいう2歳あたりのイヤイヤ期という時期に似ています。
(子育てしたことあるママやパパならわかるはず…)
「自我の芽生え」 が第1反抗期となる要因です。
親鳥や飼い主に依存しきっていた時期から、なんでも自分でやりたいというわけではないと思いますが、親・飼い主の手助けを拒むようになってくる時期です。
この時期には突発的に攻撃的な面を見せることもありますし、飼い主の援助にそっぽをむいちゃうこともあります。
そんな様子が見えてきたら「この子も成長してきたんだな~」と、寛容な心で落ち着いて対応してあげましょう。
キレる若者、第2反抗期
人間でいう中学生から18歳くらいまでの時期に当たるのが、オウムやインコでは個体差はあるものの、生後8か月から1年半頃に第2反抗期を迎えます。
インコたちの確かな気持ちは理解することは難しいですが、飼い主に甘えていたいという気持ちが潜在しながらも、あんまり干渉されたくないという気持ちが混在する時期です。
この時期も急に不機嫌になって暴れることもありますが、慌てふためいているのと見分けがつきにくいため私たちも驚いてしまいがちです。
周囲にペットが驚くような要因がないのであれば、 「またこいつキレてんな~」 と遠目で見守ってあげましょう。
気を付けようがないといえばそれまでですが、手乗りやエサを与えている最中でも急に攻撃してくる例もあるので、そういったことがあることを意識しておきましょう。
恋多き性成熟期は行動も変化
反抗期が過ぎると性的も成熟する 性成熟期 を迎えます。
この時期にはパートナーとなる対象や縄張りを守るために飼い主にも攻撃的になることも。
また、成熟期では他にもこれまで見せなかった行動をとることもあるので、私たちがそれを理解して戸惑わないようにしましょう。
第2反抗期と同じ8か月以降から小型で4歳、大型で7歳くらいまでの時期です。
吐き戻しは愛情表現のひとつ
吐き戻しといい、食べ物を柔らかくして相手に与えようとする行動をとることがあります。
体調が悪いことで嘔吐することもあるので、見分けが難しいところでもあります。
ただ、性成熟期には吐き戻しという行動をとることがあることを理解しておきましょう。
身体をスリスリしてくるすり寄せ
メスなら尾羽を持ち上げるような行動をとり、オスならお尻をスリスリとすり寄せてきます。
この行動は求愛相手が飼い主であれば飼い主にしてくる行動ですし、おもちゃであればおもちゃにその行動をします。
恋愛対象は異種・同性と幅広いこともなかなか興味深いところではあります。
ケージの中で巣作りすることも
インコのなかには細いものを羽の間に挟み込んで持ち帰り、巣を作る・巣に持ちかえってため込むことがあります。
これは人間でいう家やベッドを準備しようとしているサインです。
コラム:子育てもインコのお世話もなかなか大変です
私は結婚前にもインコを飼っていましたし、子どもがある程度成長してからもインコを飼育していました。
もちろん育児経験があります。
でもやっぱり思い返せばこどももインコも反抗期はなかなか大変なものだと思います。
とくに第1反抗期のころは私自身が未熟で知識も経験もなかったので、どうしても怒っちゃん足りするんですよね(;´・ω・)。
とくに一人目・1羽目(笑)
人数・羽数をこなしていけば まぁいまはそういう時期だから仕方ないか という余裕も生まれてきます(^^♪
皆さんも育児やインコのお世話も楽しいながらも大変な一面もあると思います。
でもそういう時期だからこそ、「今は仕方ない!反抗期は成長の証!」だと割り切って頑張って乗り越えましょう!