インコのお世話も毎日するものなので、インコの様子がおかしいことに気がつきやすいかもしれません。
しかしインコは体調不良を隠そうとする習性があるため、なんとなく観察しているだけでは病気を見抜けないこともあります。
この記事では
インコの健康状態を普段のお世話でチェックできるように、チェックすべき点を8つ紹介しています。
普段の関わりで気づけるものなので、ぜひ参考にしてください。
「いつもと違う?」は病院受診を
インコが体調不良を隠そうとするのは、本来の野生で生活していた時の習慣が影響しています。
というのも
「野生で弱っていることがバレると天敵から襲われやすくなる」
という本能的なものが残っているからです。
頭部周囲のチェックポイント
まずは頭部周囲のチェックポイントからみてみましょう。
眼やその周囲
インコの飼育で眼を見ないことはないと思うので、とても気付きやすい部分です。
眼や眼周囲ではつぎのことををチェックします。
- 眼球が充血・赤くなっていないか
- 眼の周りが腫れていないか
眼球が赤くなっていると結膜炎やその他眼球の炎症の可能性があります。
また、眼の周囲に次のような異常があれば、ダニが原因の疥癬症やその他炎症の可能性もあります。
- 腫れている
- かさぶたの様なものがある
鼻・鼻孔の汚れや色の変化
鼻孔が汚れていたり普段と違うような様子はないでしょうか。
鼻孔付近が汚れている場合、細菌性の風邪であることが多く
鼻汁の湿りなどにより汚れてしまいます。
風邪も重症化すると肺炎になりかねないので早期治療が必要です。
羽の汚れは取れにくいこともあるので、風邪が治った後も汚れがしばらく付着していることもあります。
また、鼻の色が変化してきた場合は精巣腫瘍という重篤な病気の場合もあります。
自然治癒するだろうと放置しておくと鼻が腫れて硬くなり、ボロッと取れてしまったという事例もありました。
他にも鼻の様子がおかしいと思うことがあればすぐに動物病院を受診しましょう。
クチバシと周囲の異常
エサやおやつを与えるので普段から観察しやすい部位です。
- クチバシ周りが汚れてないか
- クチバシが伸びていないか
- 口腔内の乾燥ねばりがないか
これらの症状がみられた場合は
肝臓の病気や疥癬症の影響が考えられます。
どちらでも悪化すると治りが悪くなるため、早めに治療してあげましょう。
耳孔周囲の汚れ
眼球よりも後方・やや下部に耳孔があります。
はっきりした位置がわからなくても、その辺りが湿ったように汚れていれば耳孔のトラブルと判断していいでしょう。
耳孔周囲の汚れは外耳炎・内耳炎など炎症であることが多いようです。
もともと羽毛に覆われているので通気が悪く、浸出液で羽毛が固まるとよけいに通気性が悪くなり症状が悪化してしまう可能性があります。
自然治癒では悪化する傾向にあり、長引いてしまって体力的にも弱ってしまいます。
羽毛の湿りや体液っぽい汚れが確認出来たら病院受診のサインです。
体周りのチェックポイント
次に体周りのチェックポイントを紹介します。
羽の状態
羽は常に観察できるので見つけやすいですが、たまには次の点を意識して触れ合ってください。
- 羽毛の抜け
- 羽色が変化していないか
- 羽をふっくらさせていないか
羽が抜けているのはストレスで自分で抜くことがありますが
寄生虫の皮膚への感染や体内にウイルスや寄生虫が感染している可能性もあります。
羽が抜ける原因も個人では判断しがたいところです。
ストレスの毛引きだと安易に決めつけず、病院を受診した方が間違いないでしょう。
爪の状態
爪でもインコの病気のサインが出ていることもあります。
- 爪が黒くないか
- 爪が伸びすぎてないか
このような症状がある場合は次のような病気が疑われます。
- 肝臓障害の影響
- ウイルス感染症
- 疥癬症
内科的な疾患でもこのように外見的に出ることがあるので、安易に放置しないでください。
気付きにくい体格・お腹
意外と異変に気付きにくいのが体格の変化です。
毎日見ているにもかかわらず、極端な変化がないので
- 体格が太くなってないか
- お腹が膨れていないか
このような変化には気づきにくいものです。
これらはすぐに病気になるようなものでは無いかもしれませんが、人間同様に肥満は万病のもととなります。
エサやおやつの内容を見直してみましょう。
とはいえ、安易に太りすぎだと決めつけてしまうのもいけません。
肝臓の病気からお腹に水が溜まっていたり、腫瘍である可能性もあります。
また、羽毛を膨らませているのはただ寒いだけではなく、弱っているためその行動をとっていることもあります。
暖かくしても羽毛を膨らませているようなときは病院を受診してください。
便(排泄物)のチェックも重要
インコは便と尿を同時に排泄しますが、排泄物の状態の観察も重要です。
正常な排泄物がわからなければ、異常かどうかもわからないでしょう。
異常な便もいろんなものがあるので、まずは正常な便を覚えさえすればそれ以外は異常なので、異常な便が続くなら病院受診をしましょう。
正常な排泄物も与えるエサで異なる
正常な便といっても食べるものによって糞の色が変化します。
- シードメインなら黄褐色~深緑色
- 無着色ペレットなら黄銅色~黄褐色
- 高脂肪種子を与えれば薄緑~濃緑色
- 着色ペレットは食事の色の影響を受ける
着色ペレットの場合は糞の色では異常がわかりにくいので、私は与えていません。
水分は腸で吸収されるため、正常な便では次の画像のように水分で紙などがにじむのはわずかです。
 
その他の便は異常
異常な便といっても病気の種類によって便の性状・色が違ってきます。
- ピンク~赤っぽいのは血液交じり
- 真っ黒も血液交じり
- 白色便は内科疾患
- 粒が残っていれば感染症や内科疾患
- 便の形が不明瞭なら軟便~下痢
挙げればきりがありませんが、正常の便と異なると感じたら病院を受診してみましょう。
あわせて観察したいその他のこと
普段のお世話以外にも時々は
他に病気のサインはないかな?
という視点で観察してみましょう。
- 嘔吐してないか
- 咳やくしゃみはないか
- 口を開けて呼吸していないか
- 一箇所にうずくまっていないか
- 普段より鳴かなくなっていないか
こういった点があれば体調をくずしているサインかもしれません。
コラム:おかしいと思ったらすぐ受診がおすすめ
インコは体調不良があっても本能的に隠そうとすると前述しました。
隠すはずの体調不良が明らかに見てとれる場合は
- 病気が進んでいる
- 体調不良が進んでいる
このような可能性があります。
いつも強がるインコちゃんなので、きつそうにしてるときは早めに対処してあげてください(^ ^)