インコやオウムにも私たち人間と同じように成長の段階があります。
生れたばかりの時期を初生ヒナとよび、幼鳥・成鳥などの段階を経て高齢鳥が最後の成長段階となります。
やはり成長段階に応じたお世話が必要ですし、反抗期もあるので問題行動をとりやすくなることも。
この記事では生れてから高齢鳥となるまでの目安時期と、それぞれの身体的発達と心の発達の特徴を解説しています。
飼育しているインコ・オウムがどの段階にあるのかを理解し、その段階に応じた関り方・お世話をするように心がけましょう。
新生児にあたる初生ヒナ
初生ヒナは人間なら新生児期にあたります。
初生ヒナの特徴などは次の通りです。
初生ヒナの時期の目安
初生ヒナの時期の目安は
- 小型インコで
- 中型インコでも
生後20日頃まで
生後20日頃まで
です。
初生ヒナの体・機能的な特徴・発達
孵化したばかりで餌を飲み込むこともできませんが、体内に栄養源の卵黄が残っており、卵黄を少しずつ吸収しながら成長していきます。
初生ヒナの心・精神的特徴・発達
まだまだ感情や判断力はなく、親鳥に全てを依存しなければ生きていけない時期です。
乳児期にあたるさし餌ヒナ
さし餌ヒナは人間なら新生児〜生後3週頃にあたります。
さし餌ヒナの特徴などは次の通りです。
さし餌ヒナの時期の目安
さし餌ヒナの時期の目安は
- 小型インコで
- 中型インコで
生後20〜35日
生後20〜90日
です。
さし餌ヒナの体・機能的な特徴・発達
この頃からは親鳥から餌をもらい、自分で飲み込めるまでに発達しています。
この時期から人がさし餌する時には餌の硬さや量などには注意しないと命が危険にさらされることもあります。
さし餌ヒナの心・精神的特徴・発達
わずかずつ感情が芽生えるようになり、自分の世話をしてくれるものに愛情を持つようになります。
また、判断力も芽生え始めます。
三つ子の魂百まで と言いますが、生後8週まで親鳥と過ごすと社会性が身につきやすくなります。
幼児〜8歳にあたる幼鳥期
幼鳥期は人間なら乳児期以降〜8歳頃で第1反抗期の時期にあたります。
幼鳥期の特徴などは次の通りです。
幼鳥期の時期の目安
幼鳥期の時期の目安は
- 小型インコで
- 中型インコで
生後35日〜5か月
生後50日〜6か月
です。
この時期からは、期間の幅が大きくなってきます。
幼鳥期の体・機能的な特徴・発達
幼鳥期は自らエサを食べれるようになり、羽毛が「ヒナ羽」に生え換わるまでの時期をいいます。
幼鳥期の心・精神的特徴・発達
これまで愛情を向ける対象は親鳥など世話をしてくれる相手でしたが、幼鳥期からはパートナーとなるものに向けられるようになります。
これは自我が芽生え、個性が出始めるように心・精神的に発達してきた証拠です。
小学生にあたる若鳥期
若鳥期 は人間なら8〜13歳頃の小学生の時期にあたります。
若鳥期の特徴などは次の通りです。
若鳥期の時期の目安
若鳥期の時期の目安は
- 小型インコで
- 中型インコで
生後5〜8か月
生後6〜10か月
です。
若鳥期の体・機能的な特徴・発達
ヒナ羽に生え変わっていますが、さらに成鳥羽に生え換わる「ヒナ換羽」から繁殖可能になる成熟期に入るまでの時期です。
若鳥期の心・精神的特徴・発達
体だけではなく自立した生活ができるようになるための大切な時期です。
知的好奇心も盛んで、いろんなことに興味を示すようになります。
思春期にあたる成鳥前期
成鳥前期は人間なら13〜18歳の思春期頃で第2反抗期の時期でもあります。
成鳥前期の特徴などは次の通りです。
成鳥前期の時期の目安
成鳥前期の時期の目安は
- 小型インコで
- 中型インコで
生後8~10か月
生後10か月~1歳半
です。
成鳥前期の体・機能的な特徴・発達
成鳥前期ではすでに繁殖活動が可能なまでに身体的に成長・発達しています。
成鳥前期の心・精神的特徴・発達
知能・能力の発達が著しく、パートナーとなる相手とコミュニケーションを好むようになります。
一方で思春期に当たる時期で第2反抗期にもなり、体と心のバランスが不安定になりやすくなります。
そのため攻撃的になったりいうことを聞かなくなったりと飼い主から見れば問題となるような行動もとりやすくなります。
インコの問題行動と対策・対応などは別の記事で詳しく解説しています。 私たちがストレスがたまると人によっては過食だったり衝動買いだったりしますが これは周囲へ迷惑をかけなければとくに問題になるものではありません。 しかしこれが自分の子どもだったり周囲の人などに迷惑をかけ ...
インコの問題行動とその対処方法。原因に合わせた対策を。
青年期にあたる成鳥後期
成鳥後期は人間なら18〜35歳頃の成年期にあたります。
成鳥後期の特徴などは次の通りです。
成鳥後期の時期の目安
成鳥後期の時期の目安は
- 小型インコで
- 中型インコで
生後10か月~4歳
1歳半~6歳
です。
成鳥後期の体・機能的な特徴・発達
繁殖できるようになった前期から、繁殖に最も適しているのがこの成鳥後期の時期です。
成鳥後期の心・精神的特徴・発達
成鳥後期では心身ともに熟練した状況となり、パートナーとの愛情をさらに強めようとすることもあります。
相手との結びつきを強くしたいという気持ちからか呼び鳴きなどの問題行動が増えてくる時期でもあります。
中年期にあたる安定鳥期
安定鳥期は人間なら35〜50歳頃の中年期にあたります。
安定鳥期の特徴などは次の通りです。
安定鳥期の時期の目安
安定鳥の時期の目安は
- 小型インコで
- 中型インコで
4~8歳
6~10歳
です。
安定鳥期の体・機能的な特徴・発達
安定鳥の時期になると繁殖からは引退し、身体は円熟して安定した時期となります。
安定鳥期の心・精神的特徴・発達
壮年期となり精神・情緒が安定して行動も穏やかとなります。
ただし普段の生活での刺激も少なくなり、退屈から問題行動を起こすこともあります。
新しいフォージングを取り入れることで普段の生活でも頭を使う・刺激になるので、退屈させないように取り入れるといいでしょう。 フォージングって聞いたことがあるでしょうか。 フォージングはインコの生活に良い意味で刺激を与えるようなことで、フォージングにはインコに役立つ効果があります。 ...
フォージングについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
インコのフォージングの意味とおすすめのフォージングトイの作り方
高齢期にあたる高齢鳥期
高齢鳥期は人間なら50歳〜高齢期にあたります。
高齢鳥期の特徴などは次の通りです。
高齢鳥期の時期の目安
高齢鳥の時期の目安は
- 小型インコで
- 中型インコで
8歳以降~
10歳以降~
です。
高齢鳥期の体・機能的な特徴・発達
人間と同じように高齢になると筋力など衰えてきます。
これまで通り一緒に遊んだりすることで少しでも体の衰退を予防できるようにしたいものです。
高齢鳥期の心・精神的特徴・発達
体の動きがゆっくりで穏やかとなり、新しいことにもあまり興味を示さなくなります。
飼い主にとまって毛づくろいをゆったりと行うだけでも満足するほど落ち着いた状態になります。
積極的に遊ぶというよりも、インコの様子を見ながら関わり、穏やかな毎日が送れるようにお世話していきましょう。
コラム:成長段階に合わせた関りを
この記事ではインコの成長段階の時期とどんな発達をしていくのかなどを解説してきました。
各期の目安はあくまで参考にしてください。極端な差は出ないと思いますが、個体差があるというのも面白さのひとつだと思います。
成鳥から飼育を始めるならお世話そのものはあまり大変ではありませんが、しっかりと懐くのにはちょっと時間がかかるかもしれません。
逆にヒナや幼鳥から飼育し始めれば、お世話は大変なところもありますがそれだけ愛着も強くなりやすいですし、世話を必要としているため懐きやすくもなります。
どちらも一長一短ありますが、ショップで販売されている個体は人なれしている個体も多いので、はじめは人馴れしている個体から飼い始めるのもアリだと思いますよ(^^♪
どんな時期であっても・関係性が良好であっても問題行動が出ることもありますし、攻撃・反抗されることもあります。
そんなときも「今はこういう時期なんだろうな、仕方ないか」と穏やかに見守ってあげるのも大切でしょう。
ただし、問題行動への対応やしつけは「飼われている鳥」としては必要でもあります。
見守るところは見守り、しかるところは叱るようにしましょう。