サザナミインコってどんな鳥?
サザナミインコはオウム目インコ科サザナミインコ属の鳥です。
まずはサザナミインコはどんな鳥なのか、特徴や生息地などをチェックしましょう。
サザナミインコの特徴はさざ波模様の羽
サザナミインコの特徴には次のようなものがあります。
- さざ波模様の羽
- 前かがみ姿勢が得意
- 前かがみで歩いたり食べるのがかわいいと人気
- 足が器用で歩くのを好む個体が多い
- とても穏やかな性格で他のインコに比べ攻撃性が低く噛むことも少ない
- 動きは比較的ゆっくり
- 果物を好む
- 水遊びを好み、水を多く飲む
- 水分摂取が多く軟便が不通に出る
他のインコに比べるとこのような傾向がありますが、初心者には見比べてみないとその違いも分かりにくいかもしれません。
サザナミ模様の羽なのでサザナミインコと呼ばれますが、黒い模様からトラフインコと呼ばれることもあります。
穏やかな性格のためか臆病な一面もあります。
雛から育てれば簡単に懐きますが、成鳥から飼育し始めると慣れるまでに時間がかかることもあります。
サザナミインコの大きさ
個体差もありますが、サザナミインコが成体になると
- 体長は15㎝程度
- 体重は50g前後
このくらいの大きさになります。
野生のサザナミインコは涼しい地域に生息
野生のサザナミインコは次の場所に生息しています。
- 南アメリカ
- 西パナマ
- ベネズエラ
- コロンビア
- エクアドル
- ペルー
- ボリビア山岳地
前述した部分もありますが、果物や水分の摂取・水浴びを好むことからも涼しい場所を好むようです。
他のインコよりも涼しい環境を整えてあげます。
サザナミインコの性別判断はわかりにくい
繁殖を意識して飼育する場合はとくに性別判断が重要です。
サザナミインコの性別判断は以下のようなところでされますが、なかなかわかりにくい部分もあるようです。
- 尾羽の真ん中の羽(中尾羽)に黒色があればオス。もしくは量が多ければオス
- 体格はオスのほうがやや大きい
- 病院でDNA判定が間違いない
(ルチノーとクリームイノ以外)(個体差がある)
(大きな差がなく、メスでもおおきめの個体もいる)
(5,000円くらいで可能)
外見だけでの性別判断はとても難しく、上記リストのいくつかの判断材料から総合的に判断しないとわかりにくいです。
確実に雌雄を判断したい場合は検査がおすすめです。
サザナミインコのかわいいおしゃべり・鳴き声
サザナミインコのかわいいおしゃべりや鳴き声も気になるところです。
おしゃべりは他のインコ同様にしてくれますが、声質が低めでややこもったような発声です。
そのため言葉をはっきりとしゃべるよりも音を真似る方が得意です。
声質が解りやすい動画をピックアップしました。
ドラえもんを歌うサザナミインコ
声質が低くて発語もはっきりしませんね(;^_^A
そこもかわいいです!
メロディーなら上手
ディズニーのメロディーを奏でています。
発語がないので比較的スムーズです(笑)
サザナミインコの寿命は10年程度
サザナミインコの寿命は10年程度ですが、個体差や飼育環境によっては15年以上長生きするものもいます。
寿命にかかわる因子は運動・栄養など飼い主が提供する環境によるものがあるので、大切に飼育してあげましょう。
サザナミインコの販売値段は18,000円前後
サザナミインコで流通が多く珍しくない種類であれば15,000円程度の販売値段です。
ただし、その時の流行や入荷状況などで価格は変動します。
珍しい色・種類であれば25,000円から30,000円以上の値段になることもあります。
金額が理由ではありませんが、ショップだけではなく里親としてお迎えも可能です。
SNSやコミュニティなどを利用すれば里親探しをしていることもあります。
無償で譲り受けれるとは限りませんが、飼い主同士のコミュニケーションもとれますし、機会があれば利用してみるのもいいと思います。
サザナミインコの飼育に必要な飼育用品
サザナミインコの飼育には基本的に次のような飼育用品が必要となります。
- 鳥かご(ケージ)
- 止まり木(パーチ)
- 水浴び容器
- エサ入れ
- 水入れ
- ヒーター
といっても種類も多くどんなものを選ぶべきか迷うこともあると思います。
それぞれの飼育用品の選び方などについては別の記事でまとめているので参考にしてください。 インコを飼育する前に確認したいことやポイント インコを飼育するのに必要なのは飼育用品だけではありません。 自宅で本当に飼育できるか。 最期までお世話をすること ...
インコやオウムを迎える時の注意点。飼育の心構えと準備するもの。
水浴びにお湯は使用しない
サザナミインコは水浴びを好むことをお伝えしましたが、寒い冬でも必ず「水」を準備してください。
お湯を使うと健康を保つために付着している脂分も落ちてしまうため良くありません。
水浴びといっても足が浸るくらいの少量の水しか使用しないので、入れすぎないようにしましょう。
サザナミインコの飼い方・雛のお世話
サザナミインコは集団生活にも適応しやすく、複数で飼育をすることで仲間を作りやすく巣引きも比較的容易です。
もともと涼しい場所を好むので寒さにも比較的強く、寒い時期でなければ屋外飼育も可能です。
中型インコに分類されますが、尾羽も短く体も小さいためとくに大きなケージも必要としません。
退屈させないように適度におもちゃを入れたり交換したりという世話は必要です。
飼育の基本的な情報はこちらでまとめています。 このページにはインコやオウムの普段の生活スケジュールや必要となるお世話に関連した内容をまとめて掲載しています。 それぞれの項目の詳しい内容はリンクページをご覧 ...
毎日の生活と定期的なお世話
サザナミインコの餌は体重で管理
栄養バランスの良い食事を心がけることは当然ですが、与えてはいけないものがあるのも覚える必要があります。 インコの主食や副食にもいろんなものがありますが、食べることで中毒をおこすような危険な食べ物もあります。 野菜や果物も食べるインコですが、それらのなかにも与えて ...
インコに与えてはダメなもの。4つの飼育本を参考に紹介。
野生下では種子や昆虫を主食としているので飼育下でも与えて構いません。
とはいえ昆虫を与えるのに抵抗がある人も少なくはないでしょう。
- 主食:中型インコ専用混合フード
- 副食:小松菜・青梗菜・ブロッコリー・人参などの野菜
- 副食:リンゴなどの果物
- 副食:粟(あわ)の穂
- 副食:ひまわり・松の実
このようなものを利用し、主食・副食・おやつを上手に使い分けるようにしましょう。
餌の種類や選び方などは別の記事で詳しく書いているので気になる方は参考にしてみてください。 ここはインコやオウムなどの食べ物・餌の選び方や与え方の記事の一覧です。 餌は種類やサイズに合ったものを 餌にも主食・副食があれば、おやつもありますが、飼育する ...
育成・健康に大切な食べ物と餌の与え方
サザナミインコの繁殖・巣引き
サザナミインコは穏やかな性格もあり、比較的簡単に巣引き・繁殖させることも可能です。
年に2~3回の産卵と特殊な交尾
普通なら年に2~3回程度産卵・繁殖をしますが、暖かい環境だったり発情過多になりやすい状況があればそれ以上になります。
他の鳥の交尾であればオスがメスに乗るような体勢で行われますが、サザナミインコの交尾は特徴的で、横に並ぶような体勢で行われます。
下の動画ではその様子が分かりやすく撮影されているので気になる方は参考までにチェックしてみてください。
1回の産卵で6個ほどの卵を産みます。
孵化率と育成率を上げるために
小さな体ですべての卵を温めるのは難しく、孵化率は高くはありません。
無精卵だとわかった卵があれば早めに取り除くことで、有精卵が温まりやすくなり孵化率も上がります。
抱卵から3週間くらいで孵化するので、それ以上待っても孵化しない場合は取り除きましょう。
サザナミインコのヒナは孵化をしても死んでしまうことが多いとされていますが、その理由は明らかになっていません。
巣箱に雑菌やカビが繁殖しにくいように、風通しが良い環境を作りましょう。
雛の成長
生後50日ほどでヒナの羽も生えそろい、巣箱から時折かわいい顔を見せてくれるようになります。
環境にもよりますが、生後9週頃から親分けできる頃です。
単独飼育にしたり、飼い主に懐かせたい場合、手乗りインコとして育てたい場合はこの時期から可能です。
親離れの時期は早すぎると鳥としての社会性が身に付きにくくなるため注意しましょう。
繁殖の基本はサザナミインコ特有のものはなく、他の鳥・インコと同様です。
繁殖や巣引きに関しては別の記事で詳しく解説しています。
サザナミインコのしつけ
サザナミインコは知能が高いため、しつけを習得することも可能ですが、
しつけを覚えれるかどうかは飼い主次第でもあります。
一生懸命しつけをしていても、やり方が悪ければ思うようにしつけができないばかりか、関係が悪くなってしまうこともあります。
しつけに関してはこちらで詳しく解説しています。気になる方は参考にしてみてください。 このページではインコのしつけや遊び、おしゃべりのポイントをまとめた記事を集めています。 気になるものや確認したい記事があれば、ぜひ参考にしてください。 &nb ...
インコのしつけと遊び・おしゃべり。上手に付き合うポイント。
サザナミインコの飼育上の注意点
サザナミインコを飼育するうえでの注意点をいくつか紹介します。
放鳥時の注意点
サザナミインコだからこそ気を付けたい放鳥時の注意点があります。
歩行中のインコを踏みつけないように
サザナミインコは他のインコよりも歩行を好むのは前述したとおりです。
つまりじっとしてないで歩き回る時間が長いとも言えます。
私たちが歩くときに蹴ったり、最悪の場合は踏んでしまう可能性もあります。
放鳥時には目を離さないよう、足元にも気を配りましょう。
サザナミインコの飼育情報が少ない
サザナミインコは他のインコに比べてペットとして飼育され始めたのはまだ最近のことです。
そのため飼育に関する情報が少なく、困ったときに対処法が紹介されてないこともあるかもしれません。
ネット上の情報だけではなく専門書を参考にしたり、動物病院などで相談することが必要になる機会もあるでしょう。
そうやってある程度自身の経験などからも知識をつけていく必要があります。
サザナミインコの仕草・気持ちを読み解く
サザナミインコも他の鳥も行動や仕草で自分の気持ちを表現していますが、それを読み取れているでしょうか。
不快もあれば快もあります。
インコの気持ちを読み解くことでより良い関係を作りましょう。 インコにも喜ぶことと不快に思うことがあり、それは行動や体調として現れてくることも。 インコやオウムのことを理解して、気持ちを読み取れるようになりましょう。 気 ...
五感で感じる快・不快、しぐさで読み解くインコの気持ち。
サザナミインコの体調や病気について
サザナミインコは長生きですが、長生きしているとどうしても体調をくずしたり病気になることもあります。
鳥は体調をこわしても周囲に感づかれまいとする習性がありますが、
これは調子を崩している・弱っていることで、天敵に狙われやすくなるのを防ぐためといわれています。
そのため不調・病気に気付きにくいのですが、毎日観察している飼い主だからこそ 「なんだか普段とちがうような…」 と気付けることがあります。
私たちがいち早く気づいて早めの対応をしてあげましょう。 インコの健康管理の中でも、とくにみてほしいポイントがあります。 そして異常・病気に気づくのにも普段から関わり・観察をしていなければ気づけないこともあります。 ...
インコやオウムの健康管理と病気・緊急時の対処法
サザナミインコの色・種類は豊富
サザナミインコの色や種類は豊富ですべてを紹介できませんが、人気・よく見かける種類を紹介します。
ノーマルサザナミインコ
一般的なサザナミインコでノーマルと呼びます。
ノーマルサザナミインコの特徴は次のようなものがあります。
- 全体的にグリーン色
- 黄色・薄黄色・灰色味がかったくちばし
- 頭頂部はややグリーンが明るく羽・背中にかけては色が濃い
ペットショップでは他の種類同様によく見かける種類です。他のインコに比べてノーマルでも人気が高いように感じます。
ルチノーサザナミインコ
全体的に鮮やかな黄色が美しいルチノーサザナミインコです。
ルチノーサザナミインコの特徴は次のようなものがあるようです。
- 目が赤い
- ほぼ黄色単色でサザナミ模様がわかりにくい
全体的に黄色が美しい種類ですが、翼や尾羽に白っぽい羽があるのがチャームポイントです。
クリームイノ(タイコーズイノ)サザナミインコ
クリームイノサザナミインコはタイコーズイノとも呼ばれます。
クリームイノサザナミンコの特徴は次のような外見です。
- クリーム色の羽毛
- 赤い目
個人的には淡いシュークリーム色みたいな感じで、コロコロしてるのでなかなか好きな種類です(^^♪
タイコーズブルーサザナミインコ
タイコーズブルーサザナミインコは他にも、タイコーズやブルーとも呼ばれていますが、不完全な青色ではあります。
タイコーズブルーサザナミインコの特徴は次のようなものがあります。
- 不完全な青色
- 翼に黒~濃い青の斑
表現がいまいちかもしれませんが、ノーマルサザナミインコの体色がタイコーズ・ブルーに変化したようなものだと認識しています。
SLグレイウイングサザナミインコ
日本での呼び方ではありますが、スパングルとも呼ばれています。
シングルファクタとダブルファクタがあるのですが、ダブルファクタはオスのみでメスは存在しません。
全体的に青~灰色がかったようなグレイ色が特徴的です。
コラム:お迎え前にはしっかり情報収集を
サザナミインコに限ったことではありませんが、同じインコの種類でも鳴き声や好みの室温・湿度が微妙に異なるものです。
また、多少の懐きやさの違いもありますし、鳴き声の大きさや、はっきりとしゃべれるかどうかなんて違いもあります。
サザナミインコは他のインコに比べると暑さに弱く、涼しさには強い特徴がありましたね。
冬に温かくするのは簡単ですが、夏に冷やすのはクーラーを使用するなどの工夫が必要です。
どんな飼育情報が必要なのかを把握してお迎えするようにしましょう。