人間は健康のために日光を浴びることが必要といわれますが、それはインコも同じです。
ただし、日光浴も正しい方法でしなければ効果が得られないこともあります。
この記事を読めば次のことが理解できます。
- 日光浴の効果と必要性
- 日光浴の種類と方法
- 日光浴をさせるときの注意点
インコの健康を守るためにもぜひ参考にしてください。
日光浴の効果と必要性
まずはインコが日光浴をすることでどんな効果が得られるのか。
その必要性から知りましょう。
規則的な生活リズムを作るため
野生のインコは日の出とともに活動を始めます。
朝一番に日光浴ができればベストですが、そこまでこだわる必要もありません。
仕事に行く前の準備の間に日光浴ができるならさせてあげてもいいですね。
ビタミンD3を生成
インコは日光浴をすることでビタミンD3を体内で産生することができます。
ちなみにビタミンD3は主にカルシウムの吸収を促進させる働きがあります。
つまり丈夫な身体づくりには欠かせないビタミンD3を産生するためにも日光浴は重要な役割があるのです。
メスなら丈夫な卵殻を作るために必要
カルシウムの吸収に関連しますが、卵の殻を作るのにはカルシウムを消費します。
ビタミンD不足によりカルシウムが不足すると卵殻形成不全の原因になるそうです。
インコのストレス解消に
日光浴は外が見える状況になるので、インコの気分転換やストレス解消になるといわれています。
またカルシウムが不足するとイライラしやすくなったりするとも言われており、カルシウムの吸収を促すことでもストレスの解消に役立ちそうです。
紫外線には殺菌効果がある
カメや爬虫類は日光浴で体表の雑菌などを殺菌して病気の予防に役立てていることが分かっています。
もちろんインコの日光浴でも同じ効果を得ることができます。
日光浴の2つの方法
日光浴は大きくは次の2つの方法があります。
- 太陽のだす紫外線に当てる
- ライトから出る紫外線を当てる
窓際で直接日光に当てる
基本となる日光浴の方法ですが、窓際やベランダで太陽の紫外線に当てる方法です。
この記事では太陽光による基本的な日光浴について解説しています。
UVBライトで紫外線を照射する
紫外線(UV)にも種類があり、重要となるUVBを出してくれるライトがあり、次のような呼ばれ方をしています。
- UVライト
- スパイラルライト
- スペクトラムライト
インコの健康のために欠かせないのが 日光浴 ですが、一般的な太陽光の日光浴をするにしてもガラス越しだと意味が無かったり、昼間自宅にいないとできなかったりと充分 ...
天候が悪かったり、暑い・寒い時にはこのようなライトで代用もできます。
紫外線ライトによるインコの日光浴。UVライトの使いかたと注意点。
日光浴の方法とポイント
日光浴をするにしても意識しておきたいポイントがあります。
日光浴は窓を開ける
日光浴は窓際で紫外線(UV)が当たればいいというものではありません。
紫外線にも次の3種類があり、それぞれ特徴があります。
- UVA:ガラスを通過できるため室内でも届く
- UVB:雲やガラスで遮断され届きにくい
- UVC:オゾン層で遮断されるためほぼ届かない
そしてどのUVでもビタミンD3が産生されるわけではなく、ビタミンD3を産生できるのはUVBだけです。
つまり窓越しに日光浴してもUVBはガラスで多くが遮断されるので、ビタミンD3を産生する意味としては、ガラス越しの日光浴ではあまり意味をなしません。
UVBでビタミンD3を産生するにはガラス窓を開けて日光よくさせる必要があります。
日光浴の時間は午前中30分を目安に
日光浴を行う時間は私は30分を目安にしています。
日光浴の時間については
- 10分程度でも良い
- 30分くらい
- 30〜60分くらい
と、いろんな意見があるようです。
なぜこんなにばらつきがあるのか不思議に思うかもしれませんが、各々がその時間の日光浴でとくに問題なく飼育できているからなのです。
自分のペースもあると思うので、インコの様子を観察しながら自分なりの適した時間を作ると良いでしょう。
季節で日光浴の時間を変える
人によっては季節で日光浴の時間を変えることもあります。
日光浴は時間だけではなく、どのくらい紫外線を浴びているかという視点で考えても良いでしょう。
季節によって紫外線の量が異なるのはご存知かと思います。
でも私はそんな難しいこと色々考えないので、いつも「30分くらい」を基本でやっています。
サプリメントなどの併用も
ビタミンD群は体内の産生だけではなくエサから摂取することも可能です。
日光浴が不足する環境であれば、ビタミンDを含むエサを与えるのも1つの手段です。
ヒナの日光浴はいつから始める?
日光浴はインコにとって大切な働きがあることはわかりましたが、ヒナの日光浴はいつから始めると良いのでしょうか。
一般的には初めの換羽が終了してからが良いといわれているようですが、根拠までは明らかに書かれてはいません。
日光浴は大切だけど、しなくてもインコが死ぬようなものでもないのでヒナの間は無理してさせなくてよいといわれたことがあります。
日光浴させるときの注意点
インコの健康に必要な日光浴ですが、日光浴をする時の注意点も紹介します。
ベランダの日光浴は外敵に注意
日光浴中はカラスやイタチなど外的にさらされるリスクもあります。
ケージを吊り下げればイタチやネズミなどの外的から守られやすくなりますが、カラスなどに襲われた際にカゴが揺れて落下するリスクが出てきます。
台などに置くと安定感はあるものの、ネコなどに狙われやすくなります。
暑い時の日光浴
暑さには比較的強いインコですが、近年の猛暑は無視できません!すだれ越しの日光浴をさせてる方も多いようです。
いずれにしても完全な日陰部分を作るようにして長時間の日光浴はやめましょう。
私は暑いときに窓を開けると熱風が入ってくるので、夏場の日光浴はほとんどさせていません(;^_^A。
寒い季節の日光浴
寒いなか窓を開けて日光浴をするとインコも私達も体調を崩してしまうかもしれません。
私は窓を開けて自分が寒くてきついと思えば、窓を開けての日光浴はさせません。
UVライトを使ったりなど他の方法で補うようにしています。
ケージに日陰スペースを作る
インコは日光浴を好みますが、ずっと直射日光に当たっていては熱中症・日射病になりかねません。
ケージの半分に布をかけるなどして、熱中症や日射病の予防ができるように注意しましょう。
ケージの出入り口などナスカンを
日光浴中にケージが倒れたり何かの拍子で出入り口が開き、インコが逃げ出す可能性もあります。
またインコは自分で出入り口を開けようとすることもあるので、日光浴中でなくてもナスカンで出入り口をロックが必要になります。
とくにベランダでの日光浴中に出入り口が開くとすぐに逃げ出せます。
そうならないためにも日光浴中は必ずロックするようにしましょう。
日光浴を嫌がるときは
たまに耳にするのが インコが日光浴を嫌がる ということです。
これは日光浴を嫌がっているのではなく、天敵に襲われるのを恐れていると言う方が正しいようです。
日光浴を嫌がるような素振りをみせるのなら無理してする必要はありません。
無理にやらせてもストレスになるだけで健康になるのとは逆効果です。
コラム:日光浴はインコの生死に関わるほど絶対てきなものではなく…
これまで日光浴がとっても大切な効果をもっているものであり、欠かすことができないというほどの説明をしてきました。
でも実際は日光浴をしなかったからといってインコの生死に関わるようなものではないのです。
日光浴をすることでビタミンD3を産生し、ビタミンD3はカルシウムの吸収をたすける…
そう、あくまでカルシウムの吸収を助けるだけなんです。
つまり、D3がなくてもカルシウムは吸収されます。
もちろん日光浴をさせないのとさせるのでは、させたほうがいいのは間違いないでしょう。
でも絶対的に不可欠なものでもないため、無理して日光浴させる必要はありません。
だから、暑いときや寒いときにわざわざつらい思いをさせてまでさせなくていいのです。